賃金センサスにより、逸失利益の補償を獲得した会社役員のGさん(50代)の事例


ご相談者Gさん (北九州市小倉北区)
受傷部位
頸部(外傷性頸部症候群 むちうち)

等級
14級9号

獲得金額
315万円


損害項目 弁護士介入後
傷害慰謝料 90万円(通院8か月90%)
後遺障害逸失利益 約115万円(喪失率5%、5年間)
後遺障害慰謝料 110万円(裁判基準)
結果 315万円(自賠責保険含む)

状況

 

Gさんは、信号停止中に荷物を取ろうとして下を向いている間に、突然後続車から追突される交通事故に遭いました。この事故は3台の玉突き事故であり、Gさんは先頭車両でした。

Gさんは、事故当日に整形外科を受診し、外傷性頸部症候群、腰椎捻挫と診断されました。その後、Gさんは整形外科と整骨院での治療を継続しました。治療期間中は、痛み止めをかかさずに処方してもらっていました。

8か月ほど治療をしたところで、症状固定となりましたが、その時点で頸部痛と左前腕から左手のシビレが残存していたため、後遺障害の手続をとったところ、14級9号の認定を受けました。

この結果を受けて、Gさんは弁護士費用特約に加入していたこともあり、適切な賠償額が自分ではわからなかったため、その後の交渉を弁護士に依頼したいと相談に来られました。

弁護士の関わり

弁護士は、依頼を受けてからすぐに保険会社から事故資料一式を受領し、内容を確認しました。

Gさんは、会社役員で今回の交通事故でお仕事を休んでいましたが、給料の減額はない状態でした。そのため、Gさんは休業損害については発生しておらず、逸失利益が認められるかが争点になると考えられました。

この点に関して、弁護士は休業損害が発生していないからといって今後一切収入の減少がないとは限らないことや、会社役員といっても労務提供の部分が一定程度あるのが通常であり、逸失利益がゼロになるというのは不適切であることを最初の段階で主張しました。

弁護士の当該主張も踏まえて、保険会社は賃金センサスの平均男性の年収をベースに補償する示談案を提案してくれました。賃金センサスによる平均賃金は536万400円であり、Gさんの実際の収入よりは少なかったですが、5%、5年間という裁判基準での補償だったことから、裁判をせずに示談に至りました。

また、後遺障害慰謝料も裁判をせずに裁判基準での補償内容を獲得することができました。

補足

会社役員の方の場合、休業損害や逸失利益がどの範囲で認められるかが問題となります。この点、実務上は、その人の労務提供の部分が報酬のうちどの範囲かという基準で判断されています。すなわち、会社役員の場合、会社の経営状況(利益率)によって、配当として支払われるケースがあります。その部分については、被害者の能力というよりは、会社の業績に応じて支出されるものであり、休業損害や逸失利益の判断に当たっては、控除されます。

具体的にどの範囲が労務提供の部分かというのは簡単な問題ではありませんが、会社の規模や役員構成、被害者の方の事故前の就労状況が考慮事情となります。また、今回のGさんのように賃金センサスを用いるというのもあり得る交渉方法です。

詳しくは、こちらもご覧ください。

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。

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