14級の後遺障害で22年間の逸失利益が認められて裁判上の和解が成立したSさん(40代会社員)の事例


ご相談者Sさん (福岡市東区)
受傷部位
左腕(左橈骨骨幹部骨折、左尺骨骨折)

等級
14級9号(左腕の痛み)

獲得金額
730万円


損害項目 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 300万円(入院3ヶ月、赤本基準以上)
後遺障害逸失利益 約300万円(喪失率5%、22年間)
後遺障害慰謝料 110万円(裁判基準)
調整金 20万円
結果 約160万円増額

状況

Sさんは、勤務先に通勤するため、自転車で車道の端を走行していたところ、同一方向に進行する自動車にはねられる交通事故にあいました。

加害者の車の速度が出ていたため、ボンネットから投げ出され、Sさんの自転車は高架下を走行していた他の自動車にぶつかるなど、一歩間違えば死亡事故になるような交通事故でした。

Sさんは、交通事故直後に救急車で病院に搬送され、レントゲン検査やCT検査を受けました。そこで、左腕の橈骨と尺骨を骨折していることが判明し、手術しました。

手術後は、自転車からはね飛ばされて全身を強く打っていたこともあり、しばらくベッドからも起き上がれず、3か月ほど入院を継続しました。

退院後も定期的な通院を行いましたが、左腕の痛みや痺れがとれず、交通事故から1年後に主治医から症状固定の診断を受けました。

Sさんは、交通事故当時工場で力仕事に従事していましたが、交通事故により長期間の休業を余儀なくされたこともあって、復帰することが困難な状況でした。

そのため、今後のことが不安になったSさんは弁護士に相談することにしました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、Sさんから症状固定の段階に至っていることを確認し、病院に同行して、後遺障害の診断に立ち会いました。

そこで、主治医の先生に、Sさんの症状の原因や今後の寛解の見通しなどを直接確認するとともに、診断書の作成をお願いしました。

その上で、作成してもらった後遺障害診断書を踏まえて、後遺障害について被害者請求を行いました。

この被害者請求を行っている間に、Sさんが勤務先を退職するということが正式に決定したため、傷害の部分について保険会社と示談を開始しました。

休業損害については、すでに支払ってもらっていたため、傷害慰謝料がもっぱらの争点でした。

相手方は、当初裁判基準の補償も否定的な見解を示していましたが、交通事故の程度の大きさやSさんが今回の交通事故で離職したことなどを主張して、裁判基準以上の補償を請求しました。

最終的に、赤本基準より30%ほど増加した 300万円を補償してもらうことで示談が成立しました。

その後、間もなく後遺障害の認定結果が出て、14級9号が認定されました。この後遺障害の結果を踏まえて再度保険会社と交渉を行いましたが、双方の開きが大きかったため、1か月ほどで交渉を打ち切って裁判を提起しました。

裁判では、逸失利益の喪失期間が主な争点になりました。相手方は14級である以上、3年間ほどで影響はなくなると主張しました。

これに対して、弁護士は、裁判の時点ですでに症状固定から一定期間を経過しているにもかかわらず、症状に変化はないこと、実際にSさんは仕事を辞めていること、むちうちによる場合と異なり、Sさんには骨折という器質的な変化が生じた中での後遺障害であることを主張して、67歳までの22年間を喪失期間とすべきであると争いました。

双方の主張が出たところで裁判所から和解案の提案がなされました。和解案では、こちらの主張が受け入れられて22年間を喪失期間とする内容でした。そのため、裁判から半年ほどで和解が成立しました。

 

補足

逸失利益の算出にあたっては、その影響がこれから何年間続くかという喪失期間が問題となるケースがあります。特に、痛みといった神経症状の場合、相手方から3年間などと主張されることもあります。

むちうちの場合には5年間程度が一つの目安とされていますが、最終的には、どのような症状が生じていて、それがどのように日常生活や仕事に影響しているかによって判断されます。

今回、Sさんは22年間という長い期間にわたる補償を獲得することができてよかったです。

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。

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