交通事故により、中絶手術を受けたYさん(20代会社員)の慰謝料を増額することに成功した事例


ご相談者Yさん (福岡県大牟田市)
受傷部位
頚椎捻挫、腰椎捻挫、左胸部打撲

等級
なし

獲得金額
約80万円


損害項目 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 110万円(通院7か月強、裁判基準から増額)
休業損害 6万円
過失相殺 15%
結果 約80万円

状況

Yさんは、住宅街の交差点を直進していたところ、一旦停止のある道路から相手方の自動車が交差点内に進入してきたため、避けきることができず出会い頭で衝突する交通事故に遭いました。

互いの車が衝突のはずみで交差点脇のフェンスにぶつかって、フェンスや掲示板が破損するほどの事故でした。

Yさんは、事故後近くの病院に救急搬送され、全身のレントゲン検査を受けました。幸い骨には異常はなく、頚椎捻挫、腰椎捻挫と診断されました。

その後、事故から間もなく、胸部の痛みを感じたYさんは再度病院でレントゲン検査を受けました。そして、整形外科と整骨院での治療を行っていました。

治療を行っている最中に、Yさんは妊娠していることがわかりました。しかも、妊娠日は交通事故より前であり、その時点でレントゲン検査により放射線を受けている状態でした。

妊娠の事実がわかっていたらレントゲン検査を受けていなかった、生まれてくる子どもに万が一影響があったらどうしようという気持ちからYさんは悩みに悩んで、やむなく中絶することにしました。

こうした状況の中、治療の目処がついたところで、弁護士費用特約に加入していたYさんは、賠償について弁護士に相談することにしました。

 

弁護士の関わり

Yさんから、交通事故の状況と治療経過、中絶の理由を確認しました。その上で、産婦人科の領収証を準備するように指示しました。

弁護士は、領収証を添付して、保険会社に対し、中絶は事故による影響が否定できないことを示して、慰謝料を増額すべきであると主張しました。

保険会社は、中絶に医師の明確な指示はないとして、当初は慰謝料の増額に否定的でした。しかしながら、妊娠が判明した時期と妊娠日の経緯を細かく説明し、経過として不自然な点はないこと、医師の明確な指示はなくても、一般的に妊娠時に放射線を受けることは避けるべきとされていることを主張して、増額事由があることを改めて主張しました。

最終的に、Yさんの通院7か月強で認められる裁判基準の慰謝料額100万円から10%ほど増額した110万円の慰謝料を認めてもらうことができ、裁判をせずに示談で解決することができました。

 

補足

交通事故の慰謝料は、一定程度定額化しています。その上で個別事情による増減額をしているのが実情です。

しかしながら、保険会社の多くは、示談段階での慰謝料について、裁判基準の80%程度の提示をしてきます。

今回のYさんのように、中絶手術を受けたということは、慰謝料の増額事由に該当し得る事情です。骨盤骨折などの場合、交通事故により胎児が死亡してしまうケースもあり、この場合には因果関係が容易に判断できますが、Yさんの場合は、明確な因果関係が認められるか微妙なケースです。

それでも諦めずに増額を認めてもらえたのは、弁護士としてとてもよかったと思います。

慰謝料の増額事由については、こちらもご覧ください。

 

 

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。

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