無職者の後遺障害による逸失利益はどのように算定方法するのですか?



基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
= 後遺症による逸失利益

 

により算定します。

 

逸失利益とは

交通事故による後遺障害が原因で、本来得ることができた利益が得られなかった場合、その得られなかった利益を後遺障害による逸失利益といいます。
算定にあたっては、労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性、日常生活上の不便等を考慮して行います。

 

基礎収入額

交通事故のイメージ画像失業者で死亡時に収入がなかったとしても、年齢、職歴、就労能力、就労意欲等から就労の蓋然性が高い場合には、逸失利益が認められる可能性があります。
この場合、原則として失業前の収入が基礎収入とされます(東京地判H1.3.23)。
②失業前の収入が平均賃金以下であっても、
・平均賃金が得られる蓋然性がある場合
・就労可能性が認められる場合
男女別の賃金センサスによって基礎収入が算定されることになります。

 

株式からの配当や不動産から所得は労働対価ではないので基礎収入とはしません。

 

 

逸失利益が認められない場合

 

①病気等により長期間就労していなかった場合
②定年退職後全く求職していなかった場合

これらの場合、就労可能性が認められないため逸失利益が認められません。

 

 

労働能力喪失率

労働能力喪失率ですが、後遺障害で認定される等級により異なります。
基本的には、国が定めた下記の労働能力喪失率表に基づいて算定されます。

労働能力喪失率表

第1級 第2級 第3級 第4級 第5級 第6級 第7級
100% 100% 100% 92% 79% 67% 56%
第8級 第9級 第10級 第11級 第12級 第13級 第14級
45% 35% 27% 20% 14% 9% 5%


 

労働能力喪失期間

(1)始期:症状固定日の年齢
(2)終期:原則として就労可能年数 67歳まで
障害の内容、部位、年齢、職業、地位、健康状態などによって異なる期間で算定されることがあります。

 

ただしむちうち損傷による後遺障害の場合は
12級の場合 ⇒ 労働能力喪失期間を5年から10年
14級の場合 ⇒ 労働能力喪失期間は5年以下
労働能力喪失期間は短くなります。

 

 

ライプニッツ係数

ライプニッツ係数を乗じるのは、中間利息を控除するためです。

 

無職者の逸失利益の計算例

 

(計算例)23歳の無職者が交通事故で後遺障害が残り、第12級10号に認定された場合

年齢 23歳無職者
後遺障害 第12級10号
基礎収入 前年の収入なし
年齢、職歴、就労能力、就労意欲等から就労の蓋然性が高く
平均賃金が得られる蓋然性があるため、
平均賃金479万6000円を基礎収入とします。
12級の労働能力喪失率 14%
就業可能年数 67歳-23歳=44年
ライプニッツ係数 17.663

以上より
479万6000円×0.14×17.663≒1185万円

が逸失利益になります。

なお、後遺障害等級12級の自賠責保険金の上限は224万円です。
1185万円-224万円の残りは、加害者の任意保険、自己負担から支払われます。

このように、基礎収入や労働能力喪失率、労働能力喪失期間の算定には複雑な問題が多く含まれています。専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

 

「逸失利益」についてよくある相談Q&A


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