顔に傷が残った場合に、逸失利益は認められますか?



059176事故が原因で、顔に大きな傷跡が残ってしまいました。後遺障害による逸失利益を請求することはできないでしょうか?

後遺障害による逸失利益は、後遺障害が残存したことによって、労働能力を喪失したことに対する補償です。

ですから、顔に傷が残ったとしても、身体的機能は左右されないので、通常の労働にとって特段に影響を及ぼさず逸失利益は認められないとも思われます。

実際、損害保険会社は、就労に与える影響はないとして労働能力喪失率を0%、逸失利益0円と算定することが多く見られます。

ですが、裁判例においては、被害者の性別や年齢、職業などを考慮して、職業選択の幅が狭まるなどといった影響が生じる恐れがある場合には、労働能力喪失を肯定する例も多くあります


例えば、32歳、女性、会社員で広報誌の政策責任者で取材など人と対面して応対する必要がある業務をしていた方の例ですが、右前額部に5cmの線状痕、右頬に7×2cmの瘢痕が残り(旧別表7級12号に該当)、骨盤骨変形が残存(旧別表11級11号)してしまったという事案で、裁判所は業務内容・顔面醜状が目立つことを顧慮して35%の労働能力喪失を認めています(名古屋地判平20・6・27)。

また、商社の営業マンにおいても外部醜状(旧別表12級13号)歯科補綴(同14級10号)の後遺症が残った事案で10年間にわたり10%の逸失利益を認めた例もあります。

裁判例の傾向としては、具体的に顔面の醜状が職業にどうマイナスに影響するかという観点を重視する傾向にあります。

もっとも、逸失利益として認められないとしても、慰謝料の算定において斟酌されることは多いので、争点になった場合には、傷跡が具体的にどのように日常生活や仕事の中で影響しているかを積極的に主張立証していくべきです。

こういった法的観点からの主張は、被害者の方自身でされることは難しいと思いますので、専門家の弁護士にご相談されることをお勧めします。

 

 

「逸失利益」についてよくある相談Q&A


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