交通事故において、自賠責保険が支払われるのはどのような場合ですか?



弁護士鈴木啓太イラスト自賠責保険は、自賠法3条の運行供用者責任による保有者の賠償責任が発生したとき、保険金を支払うと自動車損害賠償責任法11条に規定されています。

この運行供用者責任について弁護士が説明します。

 

 

運行供用者責任とは

運行供用者責任とは「自己のために自動車の運行の用に供するもの」(自賠法3条)が負うものです。

この運行供用者責任があると認められると、自賠責保険・共済の保険金・共済金の支払い、政府保障事業からの支払いを受けられることになるため、被害者にとって重要なものです。

 

 

運行供用者とは

車に乗る男性のイラスト運行供用者とは、事故を起こした「自動車の使用について支配権を有し、かつその使用により享受する利益が自己に帰属するもの」(最判昭和43.9.24)とされています。

つまり、運行供用者とは運行支配と運行利益がある者のことです。

 

運行支配とは

運行支配とは、自動車を直接または間接的に支配することです。

 

運行利益とは

運行利益は、経済的利益だけでなく下記の例でも運行利益があるとされました。

運行供用者とされた例

裁判のイラスト・子供が使用していた事故自動車の所有名義人であった親(最判S50.11.28)
・レンタカー会社(最判S46.11.9、最判S50.5.29)
・従業員にマイカー通勤を認めている会社(最判S52.12.22、最判H1.6.6)
・下請運送会社が持ち込んだ自動車事故に対する元請運送会社

運行供用者が否定された例

裁判のイラスト・自動車の運送・修理のための業者に預けた事故車両の所有者(最判S47.10.5)
・無断転貸、返還期日25日経過後のレンタカー会社(大阪地判S62.5.29)
ただし、無断転貸返還予定時間6時間経過後のレンタカー会社は運行供用者と認めました(神戸地判H10.3.19)。

 

 

運行供用者責任の証明

交通事故で被害者が損害を被った場合、その損害の証明は被害者側で「加害者に故意・過失」があったことを立証しなければなりません(民法709条)。

しかし、自賠法3条による運行供用者責任の証明について、加害者が自動車の所有者であるなど運行供用者である基礎事実を被害者は立証すればよく、一方加害者は以下の3つをすべて証明する必要があります(自賠法3条ただし書)。

1.事故及び運転者が自動車の運転に関する注意を怠らなかったこと
2.被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があったこと
3.自動車の構造上の欠陥がまたは機能障害がなかったこと
※運転者とは、車を操作する者(運転手)と運転補助者のことをいいます。

社労士日置明男画像なお、この3つを証明することは非常に困難で、加害者が運行供用者責任を免れることは稀なことです。

自賠責保険について詳しくはこちらをどうぞ。

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「保険」についてよくある相談Q&A


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