専業主婦が交通事故により死亡した場合、逸失利益はどのように算定方法するのですか?



死亡による交通事故の逸失利益の算定式は、以下の式を使います。

基礎収入額 × (1-生活費控除率) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数 = 死亡による逸失利益

「死亡による逸失利益」とは、交通事故に遭わず生存していれば得ることができたであろう利益を損害のことです。

基礎収入は賃金センサス女子労働者の全年齢平均賃金額が参考にされることが多いです。

 

基礎収入額

1.専業主婦の場合

主婦のイメージイラスト専業主婦は、家事労働によって所得を得ていません。
だから、逸失利益がないとも考えられます。

しかし、その家事労働は、財産的評価ができます。
事故によって家事労働の財産的価値が失われたとして、逸失利益の損害賠償請求が可能です。

ただ、専業主婦は所得を得ていませんから、基礎収入額に関する資料がありません。
そこで、賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女子労働者の全年齢平均賃金額を用います。

 

2.パートタイマーとしての所得がある主婦の場合

パートタイマー就業のイメージイラストパートタイマーとしての所得がある主婦の場合は、原則として事故前の所得を基礎として算定します。
現実の収入額が賃金センサスの平均額を下回っている場合、賃金センサス平均賃金が基礎収入金額とされることもあります。

実際には、交通事故前の給与額と賃金センサス平均賃金とを比較し、高い方を基礎収入して用いて、逸失利益を計算しています。
ただし、パート等の収入と家事労働に対応する賃金センサス平均賃金を合算しません。

 

生活費控除率

死亡のイメージイラスト交通事故被害者が不幸にも死亡してしまった場合、生活費は発生しなくなります。
逸失利益の算定にあたっては、生活費分を控除します。
そこで生活控除率を使います。
生活費楮率は、家族関係、性別、年齢に照らして決められています。

女性(主婦・独身・幼児等を含む)は30%程度とされることが多いです。
ただし、この数字はあくまで目安であり、個別具体的事情によって異なる控除率で算定されることもあります。

 

就労可能年数

就労可能年数は原則として67歳です。
67歳を超える方の場合は、簡易生命表の平均余命の2分の1が就労可能年数となります。

 

就労可能年数に対応するライプニッツ係数

基礎収入額 ×(1-生活費控除率)で算出される金額は、67歳のときに受けとる収入です。そのため、中間利息を控除する必要があります。
そこで算出した就労可能年数に対応するライプニッツ係数に生活費を控除した基礎収入額に乗じます。

 

専業主婦の逸失利益の計算例

42歳の専業主婦が交通事故で死亡した場合の逸失利益の計算例

● 基礎収入:女子全年齢平均賃金364万1200円
● 生活費控除率:30%
● 就業可能年数:67歳-42歳=25年
● 25年に対応するライプニッツ係数(年金原価)14.094

以上より、364万1200円×(1-0.3)×14.094≒約3600万円が、42歳の専業主婦の逸失利益になります。

このように、死亡事故による逸失利益の算定は複雑な計算となるので専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

「逸失利益」についてよくある相談Q&A


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