物損事故では慰謝料は認められませんか?認められる場合慰謝料はいくらくらいですか?



疑問物損事故では、原則慰謝料は認められません。
しかし、例外的に物損に対し慰謝料が認められた例があります。
ただ、慰謝料の金額は、数万円~数十万円くらいでした。

 

慰謝料の認められる根拠

交通事故のイメージイラスト民法710条は「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれかであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、在新以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない」と規定されています。

 

よって慰謝料が請求できる場合に人身事故でも物損事故でも制限はなさそうです。

しかし、実務上は交通事故で物が破損した場合、破損したものに対し賠償されれば物を壊された被害者の精神的な苦痛も癒されるので慰謝料は発生しないとされています。

ただし、例外的に物損事故で慰謝料が認められる場合もあります。
そのいくつかの裁判例を紹介します。

 

破損したものと慰謝料の認否

 

1.自動車 否定

修理、改造をした自動車が追突事故に遭い損傷。車両が「事故車」とされる精神的苦痛としての慰謝料請求がされました。判決は、「事故車」として評価される分まで車両へ賠償をされているとして慰謝料を認めませんでした。(東京地八王子支部H14.3.28)。

 

 

2.動物・ペット

 

①飼い犬 肯定
飼い犬が自動車に轢かれて死亡したが、加害者が責任を否認した場合(東京地判S40.11.26)判決は 被害者にとっての特別な主観的・精神的価値だけでなく加害者の事故後の態度も考慮し、慰謝料2万円を認めました。

 

②競走馬 否定
競走馬は交通事故で死亡した場合(札幌高判S56.4.27)は、競走馬は売却される予定のある商品という理由から慰謝料を否定されました。

 

3.墓石 肯定

霊園内で墓石に衝突し、骨壺が露出した場合(大阪地判H12.10.12)は先祖、個人が眠る場所として強い敬愛追慕の念の対象となるという特殊性から慰謝料10万円を認めました。

 

 

4.芸術品・美術品 肯定

陶芸家の自宅のコンクリート壁に自動車が衝突し、壁が倒れ、陶芸家の作品が破損した場合(東京地判H15.7.28)、壊れた作品は、陶芸家として認められた作品で被害者にとっての特別な主観的・精神的価値があり、作品の具体的な金額を認定できないとして慰謝料100万円の慰謝料を認めました。

 

 

5.住宅損傷 肯定

大型貨物自動車が民家へ飛び込んだ(東京地八王子支S50.12.15、岡山地判H8.9.19など)は、被害者の生活利益、社会的信用等の利益を侵害したとして慰謝料が認められました。慰謝料額は5~60万円くらいでした。

 

 

物損に対する慰謝料が認められるのは、例外的な場合です。
お悩みのかたは、一度交通事故に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。

人身事故における慰謝料の計算方法については、こちらをご覧ください。

 

「慰謝料」についてよくある相談Q&A


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