給与所得者が死亡した場合の逸失利益はどのように算定方法するのですか?



以下の式で計算します。

 

基礎収入額 ×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
= 死亡による逸失利益

 

基礎収入額

 

(1)基礎収入は給与

基礎収入額は、原則として事故前の給与を用います。
給与額は税金や社会保険料などを控除しない総支給額となります。

 

(2)賃金センサスを使う場合

①現実の給与が賃金センサスの平均額以下の場合
ただ将来平均賃金以上の給与を取得できる蓋然性があることが必要となります。
②若年労働者(概ね30歳未満)の場合
学生との均衡のため

 

(3)昇給について

①昇給規定がない場合
「昇給規定がなくても、将来の昇給が証拠に基づいて相当の確かさをもって推定できる場合には、昇給も考慮することができる」(最判昭43.8.27)と判示されました。
②昇給規定がある場合
定年までの毎年の昇給を会社の賃金規定に基づいて認めた裁判例があります
(大阪地判平3.1.29、広島高判平5.8.31)。
幼児・年少者の基礎収入額に関する資料は賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別の全年齢平均賃金額を用います。

 

生活費控除率

年金のイメージ画像

被害者が不幸にも死亡してしまった場合、生活費は発生しなくなります。
逸失利益の算定にあたっては、生活費分を控除します。
生活控除率は、家族関係、性別、年齢に照らして下の割合となります。

(1)一家の支柱
①被扶養者が1名の場合   40%
②被扶養者が2名以上の場合 30%
(2)男子(独身・幼児等を含む) 50%
(3)女性(主婦・独身・幼児等を含む) 30%

 

就労可能年数

就労可能年数は原則67歳-死亡時年齢です。
67歳を超える方の場合は、簡易生命表の平均余命の2分の1が就労可能年数となります。

 

就労可能年数に対応するライプニッツ係数

就労年数に対応するライプニッツ係数を乗じるのは、中間利息を控除するためです。

 

給与所得者の逸失利益の計算例

(1)会社員47歳の場合
・基礎収入:年収750万円
・生活費控除率:30%(妻、未成年の子2名)
・就業可能年数:67歳-47歳=20年
・ライプニッツ係数は12.4622
以上より
750万円×(1-0.3)×12.462=6,542万5500円が、逸失利益になります。

 

(2)大卒22歳アルバイト女性(独身)が交通事故で死亡した場合
・基礎収入:税込年収240万円
30歳未満の労働者のため→賃金センサス大卒女子全年齢平均賃金447万9800円を使用
・生活費控除率:30%
・就業可能年数:67歳-22歳=45年
・ライプニッツ係数17.774
以上より
447万9800円×(1-0.3)×17.774≒約5,573万6775円が、逸失利益になります。

 

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「逸失利益」についてよくある相談Q&A


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