事業所得者・会社役員が死亡した場合の逸失利益はどのように算定方法するのですか?



 

以下の式で計算します。

基礎収入額 ×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
= 死亡による逸失利益

 

基礎収入額

 

(1)事業所得者の基礎収入

 

葬儀のイメージ画像①原則として、事故前年の確定申告所得額が基礎となります。節税にためなど実際に申告した所得額と実収入に差がある場合は、実収入を立証することが必要です。立証は、帳簿等の直接の証拠が必要となり、厳格な立証が求められています。

 

家族経営の場合は、所得に対する本人の寄与の割合によって算定されることになります(最判S43.8.2)。

 

確定申告を全くしていない場合や実際の収入が平均賃金以下である場合、平均賃金が得られる蓋然性が認められれば、賃金センサスの平均賃金などを参考に基礎収入額を定める例が多いです。

 

 

 

(2)会社役員の基礎収入

会社役員は、労務提供の対価部分は認められますが、利益配当の実質を持つ部分は、基礎収入とは認められません(大阪地判H4.9.21)。

 

 

生活費控除率

 

被害者が不幸にも死亡してしまった場合、生活費は発生しなくなります。
逸失利益の算定にあたっては、生活費分を控除します。
生活控除率は、家族関係、性別、年齢に照らして下の割合となります。

(1)一家の支柱
①被扶養者が1名の場合   40%
②被扶養者が2名以上の場合 30%
(2)男子(独身・幼児等を含む) 50%
(3)女性(主婦・独身・幼児等を含む) 30%

 

就労可能年数

就労可能年数は原則67歳-死亡時年齢です。
67歳を超える方の場合は、簡易生命表の平均余命の2分の1が就労可能年数となります。

 

就労可能年数に対応するライプニッツ係数

就労年数に対応するライプニッツ係数を乗じるのは、中間利息を控除するためです。

 

事業所得者の逸失利益の計算例

(1)自由業37歳の場合
・基礎収入:所得税申告額900万円
・生活費控除率:30%(扶養家族 妻、未成年の子1名)
・就業可能年数:67歳-37歳=30年
・ライプニッツ係数は15.372
以上より
900万円×(1-0.3)×15.372≒約9,684万円が逸失利益になります。

 

(2)夫婦で飲食店を経営している夫51歳が死亡した場合
・基礎収入:所得税申告額650万円
・本人の寄与率:70%
・生活費控除率:30%(扶養家族 妻1名)
・就業可能年数:67歳-51歳=16年
・ライプニッツ係数は10.838

以上より
650万円×寄与率0.7×(1-0.3)×10.838≒3451万円が、逸失利益になります。

 

このように逸失利益の算定には複雑な問題が多く含まれています。専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

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「逸失利益」についてよくある相談Q&A


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