損益相殺


損益相殺とは、交通事故等の人身障害の被害者が、損害を被ったのと同一の原因によって利益を受けた場合、公平の見地からその利益の額を賠償額から控除するというものです。

ここでは、具体的にどのような利益が損益相殺の対象となるかについてご紹介します。

 

労災保険給付

労災保険給付には、一時金形式と年金形式があります。

【一時金形式の場合】

例えば、労災によって1000万円の損害を被った被害者の方に対して、400万円の労災保険給付が一時金で交付された場合、その400万円が損益相殺の対象となるかが問題となります。

そもそも、保険給付は、損害の填補の性質を有するものであり、二重填補は回避されるべきです。また、保険料を負担する使用者にとって、労災保険は責任保険的な意味を有します。したがって、損益相殺は認められます。
裁判例も、保険給付の価額の限度において、使用者は損害賠償の責任を免れると判示しています(最判昭52.10.25)。

【年金形式の場合】

年金形式の場合、将来の保険給付が認められるかが問題となります。

裁判例は、遺族年金について、「支給を受けることが確定した」額の限度で控除の対象となると判示しています(最判平5.3.24)。
すなわち、現実に支給されていなくても、支給を受けることが確定していれば、損益相殺の対象となります。

労災の場合の損益相殺について、くわしくは当事務所の労働特化サイトをご覧ください。

 

生命保険

149887例えば、交通事故等の人身障害事故の被害者が亡くなった場合、ご遺族が生命保険を受け取ることがあります。このような場合、その保険金が損益相殺の対象となるかが問題となります。

裁判例は、損益相殺の対象とはならないと判断しています(最判昭39.9.25)。
その理由としては、生命保険金は払い込んだ保険料の対価の性質を持ち、不法行為の原因とは関係なく支払われるものだからというものです。

損益相殺については、裁判例を踏まえて判断する必要があるため、専門的な知識が必要です。

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