高次脳機能障害等で併合8級を獲得し、紛争処理センターを利用して約4200万円を獲得したNさん(20代男性)の事例


損害項目 弁護士によるサポート結果
傷害慰謝料 約190万円
後遺障害慰謝料 830万円
後遺障害逸失利益 約4000万円
過失相殺 △50%
結果 約4270万円

 

状況

解説図Nさんは、大型自動2輪を運転し、交差点に進入したところ、対向車線から中型貨物自動車が突然右折を開始したため、避けきれず衝突しました。

この事故により、Nさんは外傷性くも膜下出血、右前頭葉脳挫傷、右橈骨尺骨遠位端骨折などの傷害を負いました。

Nさんは、事故直後は意識を失った状態で、呼びかけをすれば目は開けれるという程度の意識障害がありました。病院に搬送された時点でも見当識障害があり、事故後数日間は外傷の影響による健忘がありました。

その後、病院に約3週間入院した後、通院を開始し、右腕については約1年半で症状固定し、頭部外傷については約2年で症状固定となりました。

物損については、すでに他事務所の弁護士に依頼して解決していました。

人損部分については、どのような後遺障害に該当する可能性があって、どの程度の賠償を受けることができるかどうか疑問であったため、ご両親と一緒に当事務所に相談に来られてました。

 

弁護士の関わり

Nさんやご両親から話を聞くと、事故後にNさんが怒りっぽくなったり、スケジュール管理で失敗することがあるとのことでした。こうしたことは、事故前ではなかったことなので、事故が原因ではないかと心配されていました。

弁護士は、こうした事情や頭部外傷があることなどを踏まえると、高次脳機能障害の可能性があると考え、証拠収集にとりかかりました。

まず、弁護士は、Nさんのカルテを取得し、内容を精査しました。そうすると、事故直後において意識障害が見られ、数日間は見当識障害があった旨の記載があり、健忘もあったことも確認できました。

高次脳機能障害の申請にあたっては、「頭部外傷後の意識障害についての所見」、「神経系統の障害に関する医学的意見」、「日常生活報告書」といった書面を提出しなければなりません。

「頭部外傷後の意識障害についての所見」、「神経系統の障害に関する医学的意見」については、医師に作成してもらう必要があるため、弁護士は主治医との面談を行いました。

弁護士は、医師面談において、Nさんの事故後の意識障害や、その後のNさんの症状の経過について詳細に説明を行い、上記書類の作成のお願いをしました。

「日常生活報告書」については、弁護士において、Nさんの両親に詳細な事情を聴き取り、事故後のNさんの日常生活及び仕事上の問題点をまとめ、内容を両親に確認してもらい提出しています。

こうした必要書類をまとめて後遺障害申請したところ、高次脳機能障害として9級10号、右腕の変形障害として12級8号に認定され、併合8級という認定を受けることができました。

弁護士は、この結果に基づき、Nさんの賠償金額を算定し、相手方保険会社に請求をかけました。

本件で特に争点となったのは、後遺障害逸失利益の基礎収入の部分です。相手方保険会社は、Nさんの事故前年の現実収入を基礎収入とすることを強行に主張していました。

しかし、Nさんは、大卒であり、症状固定時20代中盤で正社員として稼働しており、将来において、収入が上がる可能性は十分にありました。そこで、弁護士は、基礎収入を賃金センサスの男性大卒平均の金額(648万7100円)で計算し請求しました。

交渉を重ねましたが、結局、相手方保険会社は主張を変えず、全く譲歩しませんでした。

弁護士はNさんと対応を検討したところ、本事件の諸事情やNさんの意向を踏まえて、紛争処理センターに申立てをすることになりました。

紛争処理センターへの申立にあたっては、本事件に関する資料一式に加えて、争点に関する意見書や、事故状況表などを提出する必要があります。

必要書類については、全て弁護士において準備をして、紛争処理センターに申立てを行っています。

申立後、紛争処理センターの事務所にて、斡旋のために嘱託された弁護士や大学教授などに本件の説明と補充の主張を行い、争点に関しては、再度、主張内容を記載した書面を提出しています。

こうした手続きを前提に、センターから斡旋案が出されました。内容としては、基礎収入を賃金センサスの男性大卒平均とすることを前提とするもので、Nさんとしては納得の金額でしたが、相手方保険会社が斡旋案をのみませんでした。

斡旋案で合意できなかったことから、センターが裁定を下すことになりました。裁定は、センターの審査会によって出されるもので、保険会社はその結論を尊重しなければならず、被害者が内容を了承すれば、そのまま和解が成立することになります。

本件での裁定の内容は、斡旋案から数万円増額された内容で、Nさんとしても納得できる金額であったことから、そのまま和解にて終了しました。

 

補足

高次脳機能障害は、見た目は完治しているように見えることから、ケースによっては見逃される可能性もあります。

くも膜下出血や脳挫傷などの所見がある場合には、専門家に詳細に事情を説明して、高次脳機能障害の後遺障害申請をすべきか判断してもらうべきです。

適切な認定を受けるには、本件のようにカルテを精査して、医師面談を行い、的確な証拠を提出する必要があります。

本件では、総合考慮の上、紛争処理センターを利用することになりましたが、ケースによっては、訴訟提起することも検討する必要があるでしょう。

 

 

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