解決事例

保険が打ち切り。どうすればいい?【弁護士が対処法を事例解説】


治療の必要性を判断するのは医師であって保険会社ではありません。

治費に支払いが認められる可能性があります。

当事務所の人身障害部には、交通事故に関するご相談が数多く寄せられています。

その中で、多いのは「保険会社から突然治療費の支払いを打ち切られた。」「今後の治療費は自己負担となりますか?」というものです。

このような保険会社の不適切な対応に苦慮されている方々が大勢いらっしゃいます。

そこで、ここでは当事務所が解決した実際の事例をもとに、どのように対応していくべきかについて、わかりやすく解説いたします。




※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

ご相談者Aさん
(福岡県古賀市)


受傷部位頚椎捻挫,腰椎捻挫,右肩関節捻挫
等級14級9号
ご依頼後取得した金額
375万円

内訳

損害項目 保険会社提示額 弁護士介入後
休業損害 事故から5か月間 事故から10か月間
傷害慰謝料 5か月分の慰謝料 95万円
後遺障害慰謝料 なし 110万円(裁判基準)
後遺障害逸失利益 115万円(裁判基準 5年間 5%)
結果 375万円(休業損害含む)

状況

Aさんは、福岡県古賀市にて通勤途中に赤信号停止中に後続車に追突される玉突き事故にあいました。

4台の玉突き事故でAさんは前から2番目でした。車の修理費は 55万円に上りました。

Aさんは、事故の当日救急病院を受診し、頚椎捻挫、腰椎捻挫、右肩関節捻挫と診断されました。

Aさんはその後、仕事の都合もあって、整骨院で施術を受けていましたが、右肩痛が改善しないため、月に1回は最初に行った病院を受診し、右肩に注射を打っていました。

MRI検査の結果、腱板損傷はなかったものの、関節唇に高信号反応があり、炎症が見られるとの診断でした。

その後も、整骨院への通院を中心に治療を継続していましたが、交通事故から5か月経過したところで、保険会社から治療の打ち切りに遭いました。

Aさんは打ち切り後も自費で治療を継続していました。打ち切り後は健康保険を使用して整形外科と月に1回最初の病院での治療を継続しました。

自費治療を続けていく中で、後遺障害のことが気になったAさんは弁護士に相談に来られました。

 

弁護士の関わり

弁護士はAさんから事故後の経過を聞き取り、保険会社が一括対応をしていた期間の診断書を取り寄せました。

弁護士のところにご相談に来られた時点で事故から9か月経過していたため、書類確認後後遺障害の申請に向けた準備を進めました。

具体的には、整形外科の医師に連絡して自費で治療していた期間の診断書、明細書の作成をお願いするとともに、月に1回受診していた病院に後遺障害診断書の作成を弁護士より文書でお願いし、検査画像を取り寄せました。

その結果、打ち切り後の治療も考慮され、右肩痛につき、14級9号の認定を受けることができました。認定結果を受けて、保険会社との示談交渉に移りました。

示談交渉では、後遺障害診断書に症状固定日が自費治療も含めた期間になっていること、その診断書で認定を受けたことを根拠に、打ち切り後の治療費はもちろん、慰謝料や交通費、休業損害も自費治療分も含めた期間で補償されるべきであると主張しました。

保険会社も示談交渉の時点で、弁護士の主張を認め、打ち切り後の治療費も補償する方向で交渉が進みました。

もっとも、慰謝料が裁判基準の80%というのが保険会社の主張だったため、特に、後遺障害慰謝料に関して、等級認定を受けたこと自体は当初保険会社が争っていた治療期間は影響しないことなどを説明し、交渉しました。

結果、傷害慰謝料については譲歩したものの、その他の項目については裁判基準での解決に至りました。Aさんは自賠責保険も含め、375万円の賠償を得ることができました。

 

補足

Aさんのケースでは、打ち切り後も自費で治療を継続していたことが何よりも重要でした。

仮に、治療を止めていれば、5か月間の慰謝料や休業損害だけで終わっていました。

症状固定を決めるのは、保険会社ではなく、医師です(交通事故Q&A「相手方の保険会社から、「そろそろ治療は打ち切ってください。」と言われました。これは症状固定ですか?」)。

このことをしっかりと押さえておく必要があります。

 

保険会社の打ち切りが認められる?

弁護士保険会社は、保険契約に基づき、保険金を支払う義務あります。

治療の必要性があれば、保険会社は治療費を支払い続けなければなりません。

そして、「治療の必要性」について、判断することができるのは「医師」であって、保険会社ではありません。

したがって、保険会社が自社の判断で「治療が必要ない」と判断し、保険を打ち切ることはできないのです。

 

 

治療を打ち切る理由

頭を抱える女性のイメージ画像それでは、なぜ、保険会社が保険を打ち切るのでしょうか。

保険会社が保険金を支払うということは、支出(コスト)となります。

保険会社の利益は、保険料(売上)から保険金等のコストを差し引いたものです。

したがって、支払う保険金等が低ければ、それだけ保険会社にとっては儲けとなるのです。

また、交通事故被害者の中には、治療の必要性がないにもかかわらず、慰謝料等の賠償金を水増しするために、長期間通院する方がいるかもしれません。

すなわち、交通事故被害者の慰謝料は、通常、入院や通院期間、通院日数等が多ければ多いほど、高額になります。

事故被害者が治療のために病院に行けば行くほど、保険会社の負担は大きくなります。

したがって、保険会社として、このような不必要な治療に対して、治療費を支払うことは、防止したいと考えるのは当然です。

このような背景から、保険会社は、治療に要する期間について、一定の基準を設けています。

その基準については、保険会社や怪我の内容によって異なりますが、一例を上げると次のような基準です。

治療期間の基準

怪我の内容 治療期間の目安
打撲 1か月から3か月
むちうち 3か月から半年間

例えば、交通事故に遭った被害者が、むちうちの被害を被ったとします。

ところが、半年を過ぎても治療を継続していた場合、保険会社としては、上記の目安を超えているので、治療の必要性について疑問を持ち、打ち切りを持ちかけてくるでしょう。

また、むちうちだから当然、3か月は治療が認められるというわけではありません。

例えば、交通事故後、最初の数回しか受診せず、その後、まったく治療を行っていない場合、保険会社は治療の必要性がないものと判断し、打ち切りを持ちかけてくる可能性があります。

 

 

保険会社が打ち切りを連絡してきたら

打ち切りについて安易に承諾しない

上記のとおり、保険会社には治療の必要性を判断する権限はありません。

したがって、体が痛む、などの自覚症状があれば、安易に打ち切りに承諾すべきではありません。

また、治療の必要性について迷ったら、「主治医に相談します。」などと伝えるとよいでしょう。

 

示談書にサインしない

一定期間、治療を続けていると、保険会社は示談金を提示してくることがあります。

事故の内容や怪我の程度にもよりますが、示談金は高額に感じることがあります。

交通事故被害に遭われた方は、会社を休むなどして経済的に困窮されている方が多いため、目の前に高額な示談金を提示されると、焦ってサインをしてしまうことがあります。

しかし、保険会社が提示してくる示談金は、いわゆる裁判基準(裁判となった場合に受け取ることができる賠償金の基準)を下回っている可能性があります。

また、一度、示談書にサインをしてしまうと、後から、撤回したいと思っても、撤回はほぼ不可能です。

したがって、適切な賠償金を得るために、焦って示談書にサインをしないようにしましょう。

 

専門家に相談する

事故後の治療は、身体的な被害を回復するために重要です。

十分治療していないと、後々、体に痛みが生じるかもしれません。

相談また、上記のとおり、治療期間によって、慰謝料等の賠償額が増減するため、適切な賠償金を得るためにも治療は重要となります。

したがって、保険会社から治療の打ち切りを提示されたら、まずは、主治医に相談することが重要です。

また、保険会社の不適切な対応に対しては、交通事故に精通した弁護士に助言をもらって対処すべきでしょう。

 

 

まとめ

以上、保険会社の治療費の打ち切りについて、その是非や対応方法について、実際の解決事例を踏まえて、できるだけわかりやすく解説しましたが、いかがだったでしょうか?

通常、保険会社は、大企業であり、社会的にクリーンなイメージを持たれていることから、治療費の打ち切りについて、何の疑問も持たれていない方もいらっしゃるかと思います。

しかし、実際には、治療の必要性があるにもかかわらず、保険金の負担を減らすために不当に打ち切られているケースが多いと思われます。

交通事故は、被害者の方にとって、それだけでも「大きな損失」です。

つらい状況なのに、適切な賠償を得ることができなければ、被害を回復できません。

したがって、治療の打ち切りを提示されたら、まずは交通事故に精通した弁護士のサポートを受けることがポイントとなります。

当事務所の人身障害部は、交通事故被害者の救済のために、被害回復のための最適な方法をアドバイスします。

交通事故被害者の方は、お気軽にご相談ください。

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