解決事例

自転車事故に遭い、くも膜下出血の重傷を負ったBさん(80代無職)が弁護士のサポートにより高次脳機能障害で5級が認定された事例

ご相談者Bさん
(北九州市若松区)


受傷部位頭部(外傷性くも膜下出血、外傷性硬膜下出血、脳挫傷)、上肢(右鎖骨遠位端骨折)
等級併合4級(高次脳機能障害(5級2号)、鎖骨変形障害(12級5号)、肩関節の機能障害(12級6号))
ご依頼後取得した金額
1875万円

内訳


損害項目 弁護士によるサポート結果
症状固定までの施設費用 約100万円
入院雑費 15万1500円(1500円×101日)
傷害慰謝料 約220万円(入院3.5ヵ月、通院5か月 裁判基準)
後遺障害逸失利益 1575万円
(併合4級から既存障害14級、高齢者による調整)
後遺障害慰謝料
過失相殺 5%
結果 1875万円

状況

Bさんは、自宅近くの信号機のない交差点を自転車で渡っていたところ、一旦停止のある道路から自動車が出てきたため、はねられるという交通事故にあいました。

衝突の勢いで自転車から転倒してしまったBさんはそのまま意識を失い病院に救急車で搬送されました。搬送された病院で外傷性くも膜下出血、外傷性硬膜下出血、脳挫傷と診断されました。そして、右鎖骨の遠位端を骨折していました。

脳の外傷については輸血と止血剤により治療を行うことで、経過を観察し、幸い出血が拡大しなかったために手術は行いませんでした。また、鎖骨の骨折も年齢的な問題もあり、手術をせず保存療法が選択されました。

その後、2週間ほどでリハビリ病院に転院し、リハビリ治療を行いました。そして、間も無く退院という段階で、Bさんのご家族が今後のことが心配ということもあって、弁護士に相談に来られました。

相談の段階で、退院日と退院後に施設(介護付有料老人ホーム)に入所することが決まっていました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、施設入所した段階でBさんに直接会いに行きました。そして、Bさんとお話しする中で、コミュニケーションが取れる状態であるかを確認するとともに、施設の担当者の方からもお話を伺い、Bさんの生活状況(どのような動作に介助が必要か)について聞き取りを行いました。

その上で、受診した病院の診断書を保険会社から取り寄せるとともに、すぐにその病院のカルテを取得しました。カルテを確認したところ、初診時の意識障害はJCS10、GCSは13という状態で、その後2日ほどかけて回復に向かったことがわかりました。

資料を検討した上で、高次脳機能障害として後遺障害の認定可能性が高いと判断した弁護士は、まず、ご家族と施設の担当者から聞き取った内容を踏まえて、日常生活状況報告書を作成しました。

特に、Bさんは事故以前は一人暮らしであったため、複数のご家族からお話を伺って、少しでも事故前の生活が伝わるように意識しました。

そして、当該日常生活状況報告書を参考に、主治医の先生に後遺障害診断書、頭部外傷後の意識障害についての所見、神経系統の障害に関する医学的意見という書面を作成してもらいました。事前にカルテ開示を行っていることもあり、医師の先生も書面作成に協力的でした。

また、鎖骨骨折については、整形外科の先生に後遺障害診断書を作成してもらうとともに、変形の程度を明らかにするために、Bさんの裸になった写真を撮影してもらいました。

Bさんは事故後、認知機能の低下が進んでいるとご家族が指摘していましたが、画像上も左側頭葉に脳挫傷の跡が残存しているということでしたので、主治医の先生にはその点を診断書に記してもらいました(側頭葉は、言語、記憶、知覚をつかさどる器官であるといわれています。)。

その結果、高次脳機能障害として、5級が認定され、また、提出した写真から鎖骨の変形が認められるとして12級5号、肩関節の機能障害として12級6号が認定されました(併合4級)。

自賠責保険の判断を前提に保険会社との交渉に入りました。

Bさんは、事故当時一人暮らしで仕事もしていなかったため、逸失利益は生じず、慰謝料のみが問題になると考えられました。そして、Bさんは、事故以前に糖尿病による体のシビレで定期的な通院を行っていたこともあり、既存障害として14級を有していたと判断されていました。

そのため、保険会社との交渉では、もっぱら傷害部分についての賠償が問題となりました。

当初、保険会社は、症状固定までの有料老人ホームの費用は負担しないと主張していましたが、もともと事故以前は一人暮らしをしていたこと、脳外傷により完全に一人で生活することが困難になっているのは明らかであることを主張し、症状固定までの施設費用約100万円を補償してもらうことで示談が成立しました。

 

補足

高次脳機能障害の後遺障害については、非常に難しい分野の一つです。弁護士コラム「高次脳機能障害の等級認定の難しさ」はこちらからどうぞ。

適切な認定を得るためには、後遺障害診断書作成段階でカルテを開示して、事故当初の意識障害や外傷の部位を確認するとともに、現在の生活状況をまとめることが重要です。

今回のBさんのケースでも、カルテ開示はもちろん、実際に生活している施設の担当者の方にも協力してもらって日常生活状況報告書を作成しました。そうした活動によって、5級という等級を獲得することができ、よかったです。

仮に、高次脳機能障害の一つ下の等級に当たる7級という認定だった場合、賠償額は 500万円近く変わっていた可能性が高いです。

高次脳機能障害については、日頃から交通事故を取り扱う弁護士に相談すべきです。

当事務所の弁護士による高次脳機能障害の解決事例は、こちらもご覧ください。

なお、糖尿病による既存障害の評価については、こちらもご覧ください。

 

 

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。

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