内縁の夫が交通事故で死亡。加害者へ損害賠償請求できる?


内縁の配偶者であっても加害者へ損害賠償を請求できます。

また、加害者の自賠責保険・共済、任意自動車保険にも請求できますが、法律上の夫婦と完全に同じ取扱いにはなりません。

 

内縁関係とは

男女のイラスト男性と女性は、婚姻の届出の書類を提出することで戸籍上夫婦となり、お互いに配偶者となります。

このような法律上の婚姻手続をしないものの、外形上婚姻した夫婦と変わらない共同生活を営んでいる男女の関係を内縁関係といいます。

婚姻の手続もせず、共同生活も営んでいない男女関係、例えば恋人関係などは、その関係が長期間継続していたとしても内縁関係にはなりません。

 

内縁配偶者の保険請求

泣く女性のイラスト自賠責保険・共済では「事実上婚姻と同様の関係にある者については民法上にいう配偶者に準じて取り扱う」とされ、内縁配偶者からの保険金請求を認めています。

ひき逃げ事故などの救済を図る政府保障事業でも、内縁の配偶者は自動車損害賠償保障法72条1項の『被害者』に当たり(最判平成5年4月6日)、民法上の配偶者の損害と同額の損害があるものとして、請求を認めています。

また、任意自動車保険の自家用自動車総合保険約款でも、約款上、配偶者には内縁関係にあるものを含むとされ、内縁配偶者からの保険金請求が認められています。

さらに、労災補償法も内縁配偶者を第1請求者としています(労動災害補償法16条の2)。

 

逸失利益、慰謝料の損害賠償請求

被害者が死亡した場合、事故がなければ将来得られたはずの逸失利益や慰謝料は、被害者の相続財産となり、被害者の相続人が請求することになります。

被害者の相続人は、婚姻の届出をした夫婦の場合はその配偶者、夫婦間の子、被害者の親などです。

被害者の子や他の相続人がいなかった場合、婚姻届を提出した配偶者は被害者のすべての財産を相続します。配偶者のほかに子がいる場合、亡くなった被害者の財産の1/2を相続できます(遺言がなく、法定相続の場合)。

 一方、婚姻をしていない内縁関係の場合は、法定相続分が法律上認められていませんので、遺言などがなければ亡くなった配偶者の財産を相続できないのが原則です。

したがって、内縁配偶者は、死亡した被害者の逸失利益、慰謝料を請求できないことになってしまいます。

裁判例のイメージイラストしかし、判例では内縁配偶者の扶養請求権、内縁配偶者固有の慰謝料請求を認めており、一定の範囲で請求の余地を残しています(内縁関係であっても法律上の婚姻をした夫婦間と同様、内縁の妻はその夫に対し扶養請求権があり、交通事故によって扶養請求権が侵害されたとして損害賠償を認めた例があります(最判平成5年4月6日、東京地判平成12年9月3日)。)。

また、内縁の配偶者は「配偶者に準じるもの」として民法711条遺族固有の慰謝料請求権が認められています(大阪地判平成21年12月11日)。

ただし、内縁配偶者へ認められた賠償額は婚姻した夫婦の賠償額より低くなっています。

 こうした内縁としての請求は、いかに内縁関係を証明するかという点がそもそも問題となります。

住民票といった公的な書類を証拠資料にするなどが必要です。

詳しくは交通事故専門の弁護士までご相談ください。

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