弁護士コラム 死亡慰謝料についての裁判


慰謝料計算死亡慰謝料について、裁判基準では一家の支柱の方の場合、近親者慰謝料も含めて 2800万円とされています。

しかしながら、これはあくまで目安ですので、個々の交通事故における具体的な事情によって慰謝料の額は増減します。

この点、千葉地裁松戸支部平成27年7月30日判決では、死亡したご本人の慰謝料として 2800万円、妻250万円、子200万円の 合計3250万円の慰謝料を認めています。

 

実際の事案

車死亡した方は46歳男性会社員で、駐車場から出てくる車を誘導するために道路に少し出ていたところをはねられてしまい、急性硬膜下血腫の重傷を負って、交通事故から3日後に息を引き取られたという事案です。

男性には妻と学生の子どもが2人の4人家族でした。

千葉地裁松戸支部は、まず死亡事故にあったご本人の慰謝料について、事故の態様や家族との平穏な生活を奪われ、妻と未だ独立していない2人の子を残して、意識を戻すこともなく死亡してしまったことなどから 2800万円を認定しました。

悲しむ女性そして、愛する夫を失った妻については、同じく平穏な生活を奪われて、大きな喪失感を抱いていることや事故後に加害者が救助活動を一切行わず、遺族に謝罪することもなく、むしろ、道路に飛び出した男性の行為が事故の原因であるとして自らの過失を認めない発言を刑事裁判で行うだけでなく、この裁判にも出席せず、保険会社のみが対応していることなどから妻の慰謝料として 250万円を認めました。

最後に、子の慰謝料については、学生であったにもかかわらず、頼るべき父親を失ったことを理由に1人当たり100万円を認定しました。

 

解説

裁判この事案で高額な慰謝料が認められた理由の一つとして、加害者の悪質な言動にあると考えられます。

すなわち、救護活動を行わず、自らの前方不注意も認めず、刑事裁判で「免許取消が無念である」などと発言し、反省の態度が見られないだけでなく、民事裁判にも出席せず、一切主張をせずにいるというのは、遺族の感情を逆撫でする行為であり、裁判官の心証にも影響を与えたのでしょう。

免許証と手錠

なお、この事案では、夜間に車の存在に注意を向けずに、誘導のために道路に出た男性にも 15%の過失があるとして過失相殺を行っています。

死亡事故による賠償は、遺族の方にとって、最愛の家族を失ったことに対する補償であり、その後の生活を送るためにも非常に重要なものです。

したがって、死亡事故についての示談は交通事故の専門的に取り扱う弁護士にご相談ください。

 

 



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