過失割合に納得いかない


過失相殺とは

弁護士過失割合とは、事故当事者双方の過失の大きさを割合であらわしたもので、「今回の事故は10:0だった」とか「8:2だった」という使い方をするものです。

過失相殺とは、交通事故の原因が完全に一方当事者の原因とはいえず、他方当事者の側にも何らかの落ち度があった場合に、被害者に生じた損害の一部については自らの負担とするというものです。

これは、民法709条の不法行為責任が損害の公平な分担という考え方に基づいているためです。

交差点信号停止している際の追突事故や信号無視による衝突といった加害者に100%責任があることが明らかなケースでは問題になりません。

しかしながら、信号機のない交差点での出会い頭の衝突や車線変更での事故、双方青信号での右直事故(右折車と直進車の事故)などでは、双方に前方注意義務違反や安全確認義務違反があると考えられるため、いわゆる10:0の事故とは評価できないのが一般的です。

このような場合に、8:2 とか 9:1 という形で交渉をするのが過失相殺(過失割合)に関する交渉です。

 

 

過失相殺の方法

電卓過失相殺は、慰謝料や休業損害という被害者が直接受け取る賠償金だけでなく、加害者の保険会社が直接支払ってくれることの多い病院の治療費についても行われます。

つまり、すべての賠償項目で過失相殺が行われるということです。

電卓

したがって、例えば、

被害者の交通事故の損害額が 200万円で、そのうち病院に直接支払ってもらっている治療費が 100万円あり、被害者の過失割合は1割というケースの場合

加害者の賠償義務の範囲は 200万円 × 0.9 = 180万円 となり、
すでに治療費として100万円を支払っているため、180万円 − 100万円 = 80万円
が被害者の手元に補償される金額ということになります。治療費を除いた 100万円についてのみ1割の減額(90万円)ということにはならないという点は誤解しやすいところです。

 

 

過失相殺の目安

交通事故交通事故は、歩行者対車、車対車、車対バイクといった事故当事者の性質と追突事故や出会い頭衝突、車線変更時の事故といった事故態様とによって分類されます。

そして、こうした分類によって、過失割合の一応の目安が定められています。

それが、『別冊判例タイムズ 民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準』(判例タイムズ社、2014年)です。ここには、以下の事故当事者の性質ごとに全部で338(高速道路上の事故と駐車場内の事故を含む。)の事故態様についての基本の過失割合が示されています。

バイク事故この目安をもとに保険会社と示談交渉を行い、裁判官もこの目安を基礎にして過失相殺について判断をしています。

過失割合を決定する際に、重要な資料となるので、警察署で作成される実況見分調書です。

これは、交通事故当事者が立ち会って現場検証を行ったのちに作成される書面です。

実況見分調書

被害者が救急搬送されて、現場検証に立ち会えないような場合以外は両当事者それぞれから説明を聞いて、「どの地点で相手を見つけたか」、「どこで危ないと思ったか」、「ぶつかった地点はどこか」、「最終的に停止した場所がどこか」などが見取図に図示されています。

この実況見分調書は警察署という第三者の公的な機関で作成される書類であることや事故直後に作成されることが多いため、裁判所も重要視しています。

過失相殺が問題になる事案では、実況見分調書の検討は不可欠です。

しかしながら、実況見分調書の取得は、刑事手続の進行状況も考慮しなければならない上、警察署と検察庁という2か所に照会をしなければなりませんので、被害者の方が自ら取得するのは非常に面倒です。この点、弁護士に依頼していただければ、被害者の方にかわって実況見分調書を取得することができます。

現場検証また、最近では、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像なども事故状況を示す重要な資料の一つとなってきています。

こうした過失相殺の問題について、デイライト法律事務所では、実況見分調書の取得はもちろん、弁護士が必要に応じて、実際の事故現場を赴き、車の交通状況や交差点の見通しといった点を確認して、詳細な事故状況の把握に努めています。

過失相殺のポイント

交通事故の被害者の方が、適正な賠償を受けるために、過失割合を適切に算出することが重要となります。
過失相殺の割合については、基本的には過去に起こった同じようなケースの事故の裁判例を参考にして決められます(この過失割合の判断については、交通事故の専門弁護士にご相談されてください。)。

過失割合は、賠償金の額に大きな影響をおよぼすため、相手方と争いになることが多くあります。

そこで、以下、相手方と争いになった場合、裁判所に過失割合を適切に認定してもらうためのポイントをご紹介します。

 

【刑事事件記録の入手と検討】

過失割合は、事故態様毎に決められているので、相手との交渉や裁判等では、まず、具体的な事故態様を主張・立証しなければなりません。

具体的な事故態様を検討するためには、刑事事件記録の活用が必要であり、また、立証方法としても重要となります。

刑事記録には、実況見分調書、被害者の診断書、被害車両や加害車両の写真、供述調書(被害者、加害者、同乗者、目撃者)が含まれているので、これにより、道路の形、幅員、交差点の構造、制限速度、照明の有無、道路見通しの良否、事故当時の天候、スリップ痕、車両の破片、車両の位置、車両の速度などが把握でき、事故態様を検討できます。

 

【現場検証の実施】

事故の態様を具体的にイメージするためには、刑事事件記録だけではなく、自らが現場へ行って事故状況の検証を行なうことが重要です。

そこで、過失割合に争いがあるような事案の場合、当事務所では、交通事故専門の弁護士が事故現場へ行き、ロードメジャーで距離を測定、事故の再現写真を撮る等して、事故当時の状況を把握するように務めています。

 

【写真・図面の利用】

相手方や裁判所に事故の状況を具体的に理解させるために、入手した刑事事件記録や現場検証の結果を基にして、事故現場の地図、加害車・被害車の位置と距離関係等を表示した図面、事故現場の写真等を用いてわかりやすく主張していくことがポイントとなります。

なお、写真には撮影方向を記載した図面を添付すると、現場の状況について、理解しやすくなるので効果的です。
まずは、福岡にあるデイライト法律事務所にお気軽にご相談ください。

過失割合についてよくある相談Q&A