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高次脳機能障害とは?


高次脳機能障害とは

物損事故人間の脳は、それまで経験したことを踏まえて、知識や記憶を形成し、そうした知識や記憶を関連づけて物事を認識したり、他人に口頭で説明したり、行動を起こしたりすることをつかさどる重要な器官です。

交通事故により、人間にとって非常に重要な脳に外傷(けが)を負ってしまうことがあります。

高次脳機能障害とは、交通事故により脳に外傷を負った被害者の方が記憶や認識に異常を来したり、コミュニケーションが取れなくなったり、行動障害が生じたり、人格の変化が起こったりする症状をいいます。

そして、こうした高次脳機能障害の症状により、交通事故の被害者が日常生活や社会生活を営むに当たって、仕事を転職せざるを得なくなる、対人関係でトラブルが増える、一人で身の回りのことができず、介護が必要になるといった支障が生じます。

交通事故により上記のような支障が生じた場合、交通事故の後遺症として、後遺障害の認定手続を受けなければなりません。

しかしながら、高次脳機能障害は、寝たきりになるようなケース以外では、外見上はなかなか症状を判断できず、画像所見が見られにくいこともあり診断が難しい障害であるといわれています。

 

 

高次脳機能障害の判断

高次脳機能障害の判断にあたっては、以下の4点が基本的な要素となります。

高次脳機能障害の判断の要素
  • ①交通事故により頭部に外傷を負ったこと
  • ②受傷後に意識障害があったこと
  • ③交通事故の外傷により脳の受傷を裏付ける画像上の所見があること
  • ④認知障害及び行動障害、人格の変化などの症状が生じていること

まず、高次脳機能障害の前提として、脳が格納されている頭部を交通事故によりけがしている必要があります。

そのため、①が要素として挙げられます。

その上で、高次脳機能障害が生じるのは、②の『受傷後に意識障害があった』ものになります。

ここで意識障害があったと評価されるには、GCSやJCSといった意識障害を測定する医学指標を用いて、頭部外傷後6時間以上の意識障害があることが一つの目安になります。

事案によっては、交通事故にあってから健忘症あるいは軽度意識障害が1週間以上続くこともあり、意識障害がどの程度続いていたかも高次脳機能障害の判断に当たっては1つのポイントとなります。

4916e371ec17622e8153ba1744dd48ab_s次に、③の『頭部に外傷を負った』上で、脳にも損傷があることが高次脳機能障害の判断要素になります。

この脳の受傷を裏付ける画像所見は、脳に器質的な病変が生じていることを認定するための資料として重要なものとなります。

したがって、頭部を受傷した場合には、必ず適切な時期にMRIやCTの撮影をすることが大切です。

脳に損傷が確認された場合には、外傷性くも膜下出血や硬膜下血腫、びまん性軸索損傷といった診断が下されることが多いです。

最後に、④の『実際に認知障害や行動障害、人格障害が生じていること』が必要になります。

この症状の把握が非常に難しいというのが高次脳機能障害の難しさです。

医師は、交通事故の前の被害者の生活状況や人格・性格を把握しているわけではないため、交通事故前後でどのように変わったかがはっきりとわからないためです。

また、被害者の方自身も自分が変わってしまったことを自覚できていないことも多くあります。

そこで、後遺症の症状については、医師の所見だけでなく、交通事故前の被害者の人格・性格を把握している家族や友人、職場の方などに事故後における被害者の性格や行動の変化を聞き取ることが重要となります。

◆高次脳機能障害の特徴についてはこちらをご覧ください。

 

これまで説明してきた要素を踏まえて、高次脳機能障害の症状があるといえるのかどうかが判断されることになります。

もっとも、高次脳機能障害の症状があると判断されたとしても、その上で、後遺症の程度が自賠責保険の後遺障害の何級に該当するのか、労働能力喪失率(仕事や家事に対する影響の度合い)はどれくらいかといった点が問題となり得ます。

◆高次脳機能障害への賠償についてはこちらをご覧ください。

 

弁護士西村のイラストこのように、高次脳機能障害の問題は、交通事故の中でも非常に難しい分野であるといえます。

そのため、交通事故で頭部にけがを負った場合には、被害者だけでなく、専門家である弁護士のサポートを受けることが適切だといえます。

その際には、家族や周りのサポートも非常に重要になりますので、協力体制をいかに築くかが大きなポイントになります。

◆脳外傷を負った方へのサポートはこちらをご覧ください。

 

 

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