よくある相談Q&A

バイクで走行中、目の前で停車したタクシーがドアを開け、接触し転倒しました。過失割合はどうなりますか?



執筆者:弁護士鈴木啓太

弁護士鈴木啓太バイクの走行を阻害していることから、ドアを開放したタクシーの過失の方が大きくなるのが原則ですが、バイクに関しても一定の過失が認定されることが多いです。

ご質問について、弁護士が以下で詳しく解説いたします。

 

ドア開放の交通事故とは?

ドア開放の交通事故とは、公道に停車中の自動車が運転席や助手席側のドアを開け、ドアを開放した自動車の左側または右側を通過しようとした他の自動車やバイク、自転車が開放された自動車のドアに接触する事故です。

自動車同士でも起こりえますが、やはりバイクや自転車との間で交通事故になることが比較的多いといえます。

 

 

ドア開放事故の過失割合は?

バイク対自動車

バイクとドアを開放した自動車との間の基本的な過失割合は、以下のように設定されています。

バイク 自動車
基本過失 10 90

バイクにも一定の過失が認められているのは、バイクにも前方に停車している車両がある以上、前方不注意の落ち度があると考えられるためです。

もっとも、以下のような事情がある場合には、過失割合が修正されます。また、ドアの開放が右車線で行われた場合については、通常右車線でドアを開けるというのを想定することが困難なため、バイクの過失は上記の10よりも小さくなる可能性が高くなります。

バイクの過失に加算される修正要素
ドア開放を予測させる事情あり※1、バイク速度違反、バイクのその他の著しい過失・重過失※2
バイクの過失に減算される修正要素
夜間、自動車ハザードランプ等の合図なし※3、自動車ドアの直前開放
※1 タクシーが合図を出して停止した直後やトランクが開いているなど、降車・乗車が予想されるような場合のことです。
※2 自動車の左側の隙間が狭く、バイクなどが通過すると予想しにくいような状態であるのに、バイク等が無理に通行した場合などです。
※3 左折のウインカーを出して停車している場合も、合図がある場合となります。

 

自転車対自動車

ドアの開閉に際して、交通事故が発生するのは、バイクだけに限らず、自転車の場合にも起こり得ます。

もっとも、バイクと異なり、自転車と自動車とのドア開放の交通事故については、基本的な過失割合が設定されていません。

そのため、事案に応じた判断が求められますが、自転車はバイクよりも交通弱者であることを考えると、基本的には、バイクの基本過失と同程度もしくは少しバイクよりも過失が小さくなる(5:95)と考えられます。

判例

自転車と自動車との間のドア開放による交通事故で、自転車の側にドア開放を予測させる事情がなかったとして過失相殺を認めず、自転車0%対四輪車100%にした例があります。

【東京地裁平成21年3月30日判決】

また、大阪地裁平成24年5月16日判決では、自転車の過失を5%とした例もあり、参考になります。

【大阪地裁平成24年5月16日判決】

 

四輪車対四輪車

自転車と同様に、自動車の開放ドアに四輪車が衝突した場合の交通事故に関しては、基本的な過失相殺率が設定されていません。

そのため、具体的な事案に応じて対応する他ありませんが、過去の裁判例が参考になります。

判例 東京地裁平成21年6月24日判決

駐車場に止めていた乗用車がもともと後部座席のドアを開けていたところ、バスの通過直前にドアをさらに開けて、開放角度を広げたため、交通事故に至ったという事案です。


この事案で裁判所は、後続を走行していたバスが乗用車を直前で発見していたこと、乗用車との衝突しない距離を保持しないで漫然とその場を通過しようとした点でバスに一定の過失が認定されました。

 

上記の過失割合は、あくまで目安です。
過失割合は、当該事故のすべての事情を総合して判断されることになるので、上記割合と異なる割合になることもあります。

特に、基本の過失割合から修正要素を主張するためには、実況見分調書など客観的な証拠に基づいていることが必要になります。

そのため、警察署で作成される実況見分調書が極めて重要な証拠になるのですが、この実況見分調書を被害者の方が自ら取得するのは、刑事処分のタイミングも考える必要があり、検察庁に不起訴記録の閲覧・謄写を申請しなければならず、手間を要します。

実況見分調書当事務所では、被害者の方に代わって、警察署及び検察庁に照会し、実況見分調書を取得することが可能です。

また、過去の解決事例では、歩行者の事案ですが、設例のようなドア解放による交通事故の依頼を受けて、解決した事例もございます。

是非一度弁護士にご相談ください。

 

 


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