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交通事故の傷病手当金とは?【弁護士が徹底解説】


掲載日:2017年3月7日|最終更新日:2019年5月16日

弁護士交通事故でけがをした場合、健康保険には病気や怪我のために会社を休み、会社から給与が受けられないとき、傷病手当金を支給する制度があります。

しかしながら、交通事故の加害者に請求することのできる休業損害の補償と傷病手当金を両方とも受け取るという、いわゆる2重どりはできません。

したがって、基本的には、加害者に休業損害を請求することになります。

 

傷病手当金とは

説明する男性のイラスト

傷病手当金は、健康保険法99条に規定されている制度です。

病気やけがによる休業で健康保険に加入している人とその家族の生活を保障するために設けられたものです。

この傷病手当金は、労災以外の病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に受給することができます。

 

 

傷病手当金が受けられるとき

チェック項目のイラスト以下の4つすべてにあてはまる場合、「傷病手当金」を受けられます。

給付対象は、被保険者のみです。

(1)業務外の病気や怪我で療養中であること。

追突のイメージイラスト

業務に関するもので病気やけがをした場合には、健康保険の対象ではなく、労災保険の対象になります。したがって、業務外の病気やけがで療養していることが条件となります。

業務外であれば、その原因については美容整形など一部の例外を除いては、問われていません。

そのため、全くのプライベートで交通事故にあった場合には、この条件を満たすことになり、残りの3つの要件を満たせば、傷病手当金の支給対象となります。

なお、通勤及び仕事から帰宅途中の交通事故については、通勤災害となるため、労災保険の適用対象となり、傷病手当金は受給できません。

 

(2)療養のため労務に服することができないこと

入院のイメージイラスト

「労務に服することができない」とは、被保険者が所属している事業所での業務ができないことです。

けがをしたことで、勤務先との話し合いにより、職場転換などにより就労可能な仕事をし、相当額の給与等を得ている場合は、ここでいう「労務に服することができない」には該当しません。

「労務に服することができない」ことの判断は、主治医の所見と被保険者の職種、内容などを考慮し決定します。傷病手当金の申請にあたっては、休職についての医師の意見を記載してもらう必要があります。

 

(3)療養のため4日以上仕事を休んでいること

カレンダーのイラスト

傷病手当金は、療養のために連続した3日間会社を休み、その3日間の待期期間を除いて、4日目以降の休んだ日から支給対象となります。

したがって、交通事故で1日や2日休んだ場合には、傷病手当金を受給することはできません。

また、連続した3日間会社を休む必要がありますので、飛び飛びで有給休暇を取っているような場合にも傷病手当金の適用対象外です。

 

(4)給与の支払いがないこと

お金のイメージイラスト

休業中であっても会社から給与が支払われている場合は、傷病手当金は支給されません。

したがって、有給休暇を使用した場合には、会社から給与が支払われるため、その部分は支払われないことになります。

休業中の給与支給額が傷病手当金の額よりも少ない場合、傷病手当金からその差額が支給されます(健康保険法108条)。

 

 

傷病手当金の支給期間

傷病手当金の支給期間は、支給開始日から1年6か月までです(健康保険法99条)。

そのため、1年6ヵ月を超えた場合は、仮に復職できなくても、傷病手当金は支給されません。

 

 

傷病手当金の支給金額

電卓のイラスト傷病手当金の支給金は、下記の計算式で算定されます(健康保険法99条)。

1日当たりの傷病手当金額 = 標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3

標準報酬月額は、傷病手当金支給開始日の以前12か月間の給与、賞与、手当などの労務の報酬すべてを1か月平均に直したものです。

標準報酬月額 = 傷病手当金支給開始日の以前12か月間の給与、賞与、手当などの総額 ÷ 12か月

傷病手当金は、標準報酬月額の3分の2を支給するものですので、給与の全額が受け取れるわけではありません。

 

 

支給が停止されるとき

下記のような時には傷病手当金の支給は停止されます。

疑問を抱く男性のイラスト・健康保険の資格喪失後に老齢(退職)年金が受けられるとき

・障害厚生年金または障害手当金が受けられるとき

・労災保険の休業補償給付が受けられるとき

 

 

損害賠償額からの損益相殺

説明する男性のイラスト健康保険の傷病手当金は、休業損害に充当されるため、傷病手当金給付分は損害賠償額から控除されます。

 

 

交通事故で傷病手当金をもらう際の注意点

書類これまで解説したとおり、傷病手当金は交通事故でも要件を満たせば、使用することができます。

もっとも、保険会社からの休業損害の補償と傷病手当金とを両方それぞれ満額受給することはできません。

そのため、まずは会社に休業損害証明書を作成してもらい、保険会社へ休業損害の補償を求めるというのが通常の対応方法です。

他方で、保険会社が休業損害の支払いに応じないといった場合には、生活費の前提となるお金が入ってこないということになりますので、有給休暇を使えるだけ使い、その後は、傷病手当金を請求して当面の生活資金を確保するという手段も取ることを検討します。

保険会社が休業損害の支払いに応じない理由も色々と考えられますので、事案に応じて、傷病手当金をうまく活用していく必要があります。

そのためには、交通事故を専門とする弁護士にご相談するのが大切です。

 

交通事故の場合の生活費はどうする?

交通事故に遭ってしまったとき、会社を休むと、通常は給与が少なくなってしまいます。

このような場合、上記の傷病手当金の他に、

加害者(保険会社)から休業損害を支払ってもらうという方法があります。

また、自分や自分の家族の自動車保険を使って、休養損害を支払ってもらえる可能性もあります。

さらに、勤務中や通勤途中の交通事故の場合は、労災保険が適用され、休業補償給付が受けられる可能性があります。

このように、交通事故時の生活費の補償については、様々な方法があるので、それぞれについて検討する必要があります。

休業損害については、こちらのページをご覧ください。

 

 

まとめ

弁護士上記のように、傷病手当金は、受給するための要件が法定されています。

また、支給金額の計算についても簡単ではないため、素人の方が自分だけで算定するのが困難な場合があります。

さらに、交通事故時の生活費を獲得する方法は、傷病手当金だけではなく、保険会社からの休業損害、労災の休業補償給付などもあるため、状況に応じて適切な方法を判断する必要があります。

これらについて、適切に判断するためには交通事故に精通した弁護士のサポートを受けることがポイントとなります。

当事務所の人身障害部は、交通事故被害者の救済のために、被害回復のための最適な方法をアドバイスします。

交通事故被害者の方は、お気軽にご相談ください。

ご相談の流れはこちらのページをご覧ください。

 

 

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