よくある相談Q&A

死亡事故の被害者家族です。加害者には今後運転してもらいたくありません。刑罰以外に免許停止などの処分が科されるのですか?



弁護士小原隆寛イラスト加害者運転手には懲役や禁錮、罰金などの刑罰以外にも、運転手の過去の処分状況によって免許取消しまたは停止などの処分が科されます。

さらに民事責任として損害賠償請求ができます。

 

 

加害者の3つの責任

自動車の運転を誤って人死傷させた場合、加害者は3つの責任を負います。

 

1.刑事責任

道路交通法、刑法により刑事罰が科せられます。

2.民事責任

被害者に生じた損害を賠償します。

3.行政責任

自動車の免許取り消しなどの処分を受けることがあります。

 

 

刑事処分と行政処分

刑事処分と行政処分はともに交通事事故を起こしたり、交通違反を犯したりした人に国が行う処分です。

 

刑事処分

刑事処分は、刑法や道路交通法の処罰規定に触れる行為をしたものに対して、懲役刑や禁錮刑や罰金等の刑罰を科するものです。

行政処分

行政処分は、道路交通安全を確保するという行政目的から、道路交通に危険を生み出す運転手を免許の停止・取り消し等の処分によって規制し、排除しようとするものです。

 

刑事処分と行政処分は交通違反者に対する不利益処分ですが、その処分の目的等が違うため、ある運転で免許停止等の処分を受けた後、刑事裁判で有罪になったとしても、憲法39条の二重処罰の禁止には違反しません(最判昭和35.3.10)。

 

 

行政処分の種類

行政処分には、運転免許の拒否・保留処分、取消し・停止処分などがあります。

 

運転免許の拒否・保留処分

運転免許の拒否・保留処分は、運転免許試験合格者に対して、免許を与えないこと(拒否)や6か月以内の範囲で免許を留めておく(保留)制度です。

免許取消し・停止処分

免許取消し・停止処分は、免許の保持者に対して、免許の効力を将来にわたって失わせる(取消し)または6か月を超えない範囲での期間を定めて免許の効力を停止する制度です。

 

 

運転免許の取消し・停止処分

解説する男性のイメージイラスト公安委員会は免許を受けた者が免許の欠格自由に該当(認知症や目の見えない者、アルコールや覚せい剤の中毒者)する人の免許を強制的に取消すことができるほか、下の3つに該当するとき、免許の取り消しまたは6か月を超えない範囲での期間を定めて免許の効力を停止するができます(道交法103条1項)。

①免許取得の欠格事由に至らない程度で自動車等の運転の障害となるおそれのある身体障害が生じたとき

②自動車等の運転に関し道路交通法等の規定や同法に基づく処分に違反したとき

③運転行為が著しく道路交通の危険を生じさせるおそれがあるとき

②は、交通違反の点数制度(道交法38条1項)のことです。

 

 

交通違反の点数制度

警察官のイメージイラスト交通違反の点数制度とは自動車等の運転手の原則3年以内の交通違反や交通事故について、その内容に応じて定められている点数で評価し、運転者の合計点数によって免許取り消しや停止処分を行うものです。

例えば、死亡事故を起こしたことによって違反点数が20点で、過去3年間に運転免許の停止処分がなかった運転手は、1年間免許の再取得のための試験を受けることができません。(※違反点数が13点で過去3年間に運転免許の停止処分がなかった運転手は、90日間の免許停止処分になります)

酒酔い運転による違反点数が35点で、過去3年間に運転免許の停止処分の回数がなかった運転手は、3年間免許の再取得のため試験を受けることができません。

逮捕のイメージ画像なお過去3年間に運転免許の停止処分がある運転手には、違反点数や免許の再取得のため試験を受けることができる期間が変わります。

死亡事故の賠償について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故の損害賠償でお困りの際は、弊所の弁護士にご相談ください。交通事故に精通した弁護士が対応させていただきます。

 

 

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