上腕骨近位部骨折の場合、どのような後遺障害に認定されますか?
上腕骨近位部骨折(じょうわんこつきんいぶこっせつ)は、肩関節に近い部分の腕の骨折です。
交通事故でこの部分を骨折すると、肩関節の機能障害が生じる場合があり、後遺障害等級10級10号、12級6号に該当する可能性があります。
目次
1. 上腕骨近位部とはどんな骨ですか?
上腕骨は肩から肘関節までつながる1本の長い骨です。「二の腕」と呼ばれる腕の骨のことです。
上腕骨近位とは、上腕のうち体幹に近い部分、肩関節に近い部分になります。
だから、上腕骨近位端骨折とは肩関節に近い部分で発生する骨折になります。
2. 上腕骨近位部骨折の発生原因を教えてください。
交通事故では、歩行者が転んだとき、手をついて倒れたとき、肩を打った時に発症しやすい怪我です。
3. 上腕骨近位部骨折の症状はどんな症状ですか?
怪我をした直後から、骨折箇所に痛みが強く、腕を上げることができなくなります。
数日後、骨折した部分から胸にかけて皮下出血が広がります。
骨折と脱臼が合併した際、腋窩(えきか)動脈・静脈の損傷、腋窩神経の損傷が合併することがあります。
4. どのような方法で上腕骨近位部骨折を診断していますか?
単純X線での撮影での画像で診断されています。
CTを使い骨折した骨のかけらの把握することもあります。
5. 上腕骨近位部の骨折の治療はどのようなものですか?
保存療法と手術があります。
(1)保存療法
・骨折部位のズレが少ない場合は、三角巾やバストバンドなどの固定による保存療法が取られます。
・ズレが大きい場合には、入院で骨の整復治療をします。
(2)手術
プレートなどを使用して骨をつなぐ骨接合術や、高齢者の場合には人工骨頭置換術をすることもあります。
人工骨頭を挿入した場合、肩関節の機能障害、運動障害が残存します。
(3)デメリット
保存療法、手術療法によっても骨折後の骨にくっつきが悪かったり、縮んでしまったりすることがあります。
6. 上腕骨近位部骨折の後遺障害等級を教えてください。
肩関節の可動域に制限が残存した場合、
健側(怪我をしていない側の肩関節)と比べ3/4以下なら、第12級6号
に該当する可能性があります。
肩関節の拘縮と骨折部の変形治癒による機能障害として、第10級10号または第12級6号に該当する可能性があります。
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