よくある相談Q&A

高速道路のETC専用車線での追突事故の過失割合は何対何になりますか?



基本過失として追突された先行車0:追突した後続車100になります。

先行車に過失の修正要素がある場合は、基本過失割合を修正します。

 

ETC車線の通行方法

ETCレーン

ETC車線の通行方法は、高速道路会社の定めた「高速道路営業規則」第9条による「ETCシステム利用規程」第8条1項による通行方法をとります。
それによりますと

・ETC車線には時速20㎞以下で減速して進入すること(第1号)
・ETC車線は徐行して通行すること(第2号)
・前車(先行車)が停止することがあるので、必要な車間距離を保持すること(第3号)

と定められています。

 

基本過失割合の基準となる本には掲載されていない事例なので裁判例を紹介します。

 

裁判例

 

1.横浜地判H19.9.28

先行車がETC車線内で徐行していたところ、開閉棒が開かないため急ブレーキを踏んだら、後続車に追突された事故。

結論 先行車0:後続車100

理由は、「ETCシステム利用規程」第8条1項には、『ETC車線は徐行して通行すること』、『前車が停止することがあるので、必要な車間距離を保持すること』とされており、ETCシステム利用規程実施細則4条に『ETC車線内で前車が停止した場合、開閉棒が開かないもしくは閉じる場合その他通行するに当たり安全が確保できない事象が生じた場合であっても、前車または開閉棒その他施設に衝突しないよう安全に停止することができるような速度で通行』すべきことが定められている」として、先行車が徐行していた場合や、仮に開閉棒が開かず急ブレーキを掛けたとしても、これに追突することは上記規程、細則に違反した後続車の過失であるとしました。

 

2.名古屋地判H19.4.20

先行車のETC車載器が断線し、ETC非対応車と認識され開閉棒が開かず、急停止したところ、後続車が追突した事故。

結論 先行車0:後続車100

先行車のETCの不具合については道路運送車両法47条の点検基準にETCは掲げてられていないことから、先行車の過失を認めませんでした。
さらに、「先行車に後続してETCレーンに進入する車両の運転手は、何らかの不具合によってETCゲートが開かず、そのため先行車が停止を余儀なくされる事態もあり得ることを予見した上で、減速および車間距離保持をすべき義務があるというべきである」。後続車には「減速義務違反又は車間距離保持義務違反の過失を認めるのが相当である」としました。

 

 

過失の修正要素

 

ETC車線での追突事故の過失の修正要素しては

・著しい過失として「制動灯の故障」、「酒気帯び運転」
・重過失として「酒酔い運転」

を上げることができます。
この事故の類型は、平成26年に発行された判例タイムズNo38『民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準』(東京地裁民事交通訴訟研究会編)には、掲載されていません。

 

類似の事故でお悩みの方は交通事故に強い弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

関連Q&A

 

 

『過失割合』についてよくある相談Q&A一覧